あの頃の競馬界は
2011年3月11日に発生した東日本大震災から8年。
要望板にてこんな意見をいただきましたので、
名無しのトレーナー 2019/03/07(木) 23:16:42
もうすぐ3.11ですが、震災当時の競馬界の出来事を振り返ってみると言うのはどうでしょうか
東日本大震災では暗い話題が多いなか、ドバイでヴィクトワールピサとトランセンドが1-2で日本勢初勝利、東京競馬場でマイルCS南部杯を代替開催し岩手競馬のファンファーレが府中で演奏されました
阪神大震災では宝塚記念が京都開催となり、ファン投票1位となったライスシャワーが出走し淀のターフに散りました…
当時の出来事を風化しないため、また新規の競馬ファンに知ってもらうためにもぜひとも記事化をご検討くださいませ
今回は競馬界から見た東日本大震災を振り返ってみたいと思います。
2011年3月の日本競馬
地震の影響により、3月12日、13日開催予定だった中山・阪神・小倉の全レースを中止。これにはトライアル競走であるアネモネS、重賞レースの阪神スプリングジャンプ、フィリーズレビュー、中山牝馬ステークス、中京記念も含まれていました。
今年は何事もなく盛り上がったレースも震災の時は大変な事になっていたんだと思うと…何の心配事もなくレースを楽しめる今はとってもありがたいんだなと実感。
その後、様々なレースやイベントが中止となりつつも、各地で「東日本被災地復興支援シリーズ」「復興支援競馬」「被災地支援競走」など復興支援レースを開催。
Wikiに本当に詳しく色々書いてあるので、詳細まで知りたいという方はチェックしてみてください。
福島競馬場
福島競馬場は地震と福島第一原子力発電所事故により甚大な影響を受け、しばらく休止となっていましたが、
放射性物質の除染を目的とした芝コースの一部張替え、ダートコースの砂入れ替え、施設復旧工事など大規模な改修工事を終え、2012年4月7日に約1年半ぶりの競馬開催を再開。
4月21日には福島競馬再開後初の重賞、福島牝馬ステークス(G3)が開催されました。
地震の影響で観客席の天井が崩れ落ちてしまっている福島競馬場。
被害を受けた競馬場5階スタンド
1年半ぶりに復活した福島競馬場
ゴールドシップは福島にいた
地震が起きた時に福島にいたというゴールドシップ。震災を経験したことで性格にも変化があったようです。
競走馬育成牧場の吉澤ステーブルの吉澤克己社長のお話です。
-:ちなみにゴールドシップを一番最初に見たのはいつですか?
吉:一番初めに見たのは明け2歳の2月の末に福島で見ました。北海道から福島に来た時です。その頃から立ち上がるし、止まるし、従業員が病院送りになりました。すごくヤンチャでした。ヤンチャだけれど、今ほどではなかったです。当時は今ほどパワーもありませんでしたから。トラックに入れたら、言うことは聞くんです。どうしようもないヤンチャではなかったから、走る馬になるんじゃないかなという思いはありました。ここまで走るとは思っていませんでしたが(笑)。2月の末に僕と出会って、3月11日に地震にあったんです。
-:地震の時にゴールドシップは福島にいたんですか?
吉:はい。“3.11”の福島で地震にあいました。コレは大変だと思って、さっき言った通り、北海道に戻しました。
-:福島から北海道に帰っていったんですか?
吉:せっかく24時間掛けて福島まで来たのに、2週間もたたないうちに馬運車に揺られて、北海道に戻って行きました。北海道から弊社の分場の石川県に行ったりとか、あちこち回りました。そういう意味では僕も須貝先生もあの馬に何も調教していないですよ。あの馬を調教したのは馬運車の会社です(笑)。
-:馬運車の移動で鍛えたんですか(笑)。
吉:結果的に、馬運車がゴールドシップを鍛えたのかもしれません(笑)。でも、あの大地震にあってなかったら、もっと言うことを聞かない馬になったかもしれません。地震の大揺れで大人になったのは確かです。
引用元:https://www.keibalab.jp/column/interview/816/
勇気をくれた馬オルフェーヴル
3月と言えば競馬界はクラシック直前。日本中が落ち込んでいた時に多くの人に勇気を与えた馬がオルフェーヴルです。
3月26日に中山競馬場で開催されるはずだったものの震災の影響により阪神競馬場で開催されたスプリングステークスで重賞初制覇。
その後、驚異的な強さを見せつけ皐月賞、日本ダービー、神戸新聞杯と連勝。そしてついに10月23日開催の菊花賞で勝利し、ディープインパクト以来6年ぶりとなる史上7頭目のクラシック三冠馬に輝きました。
オルフェーヴルの引退レースとなった2013年有馬記念では2着のウインバリアシオンに8馬身の圧倒的差を付けてゴールイン!堂々の勝利での引退となりましたが、オルフェーヴルの主戦騎手の池添謙一騎手は有馬記念のレース後に行われた表彰式のインタビューで、
「僕はオルフェーヴルが世界一強いと思います」
「オルフェーヴルは今日がラストランです。過去の名馬たちや時代を築いた馬たちと一緒で、オルフェーヴルも今の時代を築いてきた馬です。東日本大震災の年に三冠になって、勇気や元気を与えることができた馬だと思います。オルフェーヴルという人を魅了する力強い馬がいたことを語り継いでほしい」
Wikiより引用
とオルフェーヴルの労を労うスピーチを行いました。
ヴィクトワールピサとトランセンド
2011年3月26日行われたドバイワールドカップでは日本馬初優勝という歴史的快挙をヴィクトワールピサ1着、トランセンド2着で日本馬ワンツーフィニッシュで飾りました。
騎手からのコメント
2018年3月11日には騎手さんたちからも哀悼の意を表す騎手による黙祷が行われ、コメントが寄せられています。
●武豊騎手
「この忘れてはならない3月11日という日に競馬場で騎乗出来るありがたさを改めて感じています。復興に励む人たちのためにも、これからも騎手全員で競馬を盛り上げていきたいと思います」●田辺裕信騎手
「東日本大震災から7年経ちましたが、(地元福島をはじめ)まだまだ復興の途中だと思います。自分に出来るのは競馬で精一杯騎乗することだと思いますので、これからも互いに前を向いて頑張っていきたいと思います」引用元:https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=134351
JRAの震災支援
JRAによる東日本大震災被災地に対する支援は総額57億円以上。
中でも「お客様からのご支援」は55億円超え!自粛ばかりじゃなくどんどんお金使って経済回したほうがいいって言われてるけど、こういうことなのか…
もう8年。阪神大震災の時にはめちゃくちゃになってしまった阪神競馬場も今では綺麗になって毎日色んなレース開催されてるけど、大変な時期を乗り越えて今があるんですよね
「また負けたよ!」とか呑気に言っていられることって本当に幸せなんだな…
震災で亡くなった方たちのご冥福をお祈りします。
この日生まれたのがトーホウジャッカル。
今じゃスペシャルウィーク唯一の後継種牡馬だな