武豊騎手の新刊が発売
9月29日、メイショウカズヒメの優勝により史上初のJRA通算4000勝を達成した武豊騎手による著書『名馬たちに教わったこと ~勝負師の極意III~』が10月23日に全国発売されます。(一部10月20日から購入可能)
netkeibaの記事でサイレンススズカとのエピソードについて一部抜粋があったのでご紹介させていただきます。
サイレンススズカは「呆れるほど強かった」
もしも……もしも……、あの府中の4コーナーを、何事もなく回っていたら、どうなっていただろう……。今でも、ふとした拍子に、そんなことを考えてしまうことがあります。20年経った今でも、彼のことを思い出すと、喉に刺さった棘のようにちくりと胸が痛みます。
引用元:http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=143845
1998年11月1日、秋の天皇賞で故障、予後不良の診断が下され安楽死となってしまったサイレンススズカの死からもう20年…
スタートからスピードの違いで先頭を走り、道中はスピードを維持しながらしっかりと折り合ってリズム良く進み、最後の末脚は追い込み馬よりも切れる……究極の強さを追い求めれば、行き着くのはそこです。そして、サイレンススズカは、それを実現できたサラブレッドでした。
自分から橋田満先生にお願いし、はじめてそのスピードを体感したのは、97年の香港国際カップ(芝1800メートル)です。レースは5着に終わりましたが、1600メートルの通過タイムは、同日に行われた香港マイルの勝ち時計を上回るペースでした。そこから、バレンタインS、中山記念、小倉大賞典と3連勝。そして迎えたのが、今も伝説として語り継がれる「金鯱賞」です。
――彼が彼の走りをしたら、負けない!
レース前は自信にあふれていました。そしてその結果は、その自信をはるかに上回る、圧倒的な大勝利。乗っていた僕が呆れるほどの強さでした。
――今日のような競馬ができたら、もう世界中のどんな馬が相手でも負けません。
レース後、みなさんの前で宣言した言葉も、100%本気のものです。
引用元:http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=143845
天才・武豊に「世界中のどんな馬が相手でも負けない」と言わせてしまうほどのサイレンススズカの走り!
続く、秋初戦となった「毎日王冠」では、無敗の4歳馬(当時=現3歳)エルコンドルパサーとグラスワンダーを完封。1000メートルを57秒というハイペースで通過したにもかかわらず、上がり3ハロンは驚異の35秒1――。エルコンドルパサーに騎乗していた同期のマサヨシ(蛯名正義)に、「影さえも踏めなかった」と悔しがらせた走りは、“怪物”を通り越し、サラブレッドとしては“究極”の強さでした。
引用元:http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=143845
アニメウマ娘でも描かれた毎日王冠。圧倒的な強さを見せつけました。
サイレンススズカとの思い出は、たくさんあります。語るべきことも、まだ、まだ、あります。でも、今もまだ、その傷口は膿んでいて、瘡蓋をはがすと、血が噴き出してきます。忘れることは生涯ないと思いますが、いつか……そう、いつか……傷が癒え、瘡蓋を剥がしても血がにじむ程度になることがあったら、そのときは、彼の話をしたいと思います。
引用元:http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=143845
ユタカの恋人
数多くの競走馬に騎乗してきた武豊騎手ですが、「ユタカの恋人」とも呼ばれた馬がいました。それが1989年桜花賞、ローズステークス、ペガサスステークスなどで勝利し、武豊騎手に初となる牝馬クラシック優勝をもたらしたシャダイカグラです。
シャダイカグラのエピソードとして有名なのが桜花賞での「わざと出遅れ伝説」。
当時、桜花賞の行われる阪神芝1600mのコースはいきなりカーブから入るため大外がかなり不利(現在は解消)とされていましたが、シャダイカグラが桜花賞の枠順抽選でまさにその大外18番枠を引き当ててしまうことに。
それでも1番人気に支持され、仕上がりも絶好だったものの、なんとシャダイカグラは当日激しく入れ込んでしまいます。
まさかの調整失敗。祈るようにスタートを見つめる伊藤調教師の目には、案の定出遅れているシャダイカグラの姿が…。
ところがどっこい。その後のレースは先述のカーブの不利を解消するために先行馬勢がコーナーに殺到。後方待機の馬が有利になった上、シャダイカグラは出遅れたため苦もなく後方でコースの内に陣取る事が出来ました。
そしてバテている先行勢を尻目に進出を開始。前で粘るホクトビーナスとの一騎打ちに打ち勝ち、アタマ差で交わしてシャダイカグラが勝利!
この結果を見ると、まるで最初の出遅れのおかげで勝利に繋がったかのようにも見えたため、
という伝説がまことしやかに囁かれるようになりました。更に武豊騎手はこれについて明確に語ることを避けており、そのため「伝説化」にも拍車がかかることに。
しかし後に「意図的じゃなく、本当の出遅れ。でも、言えなくなっちゃって」「もしポンとスタートを切ってから下げたなら、もっと楽に勝っていたと思う」と語っています。
桜花賞当日、武豊騎手は激しくイレ込むシャダイカグラを見て「良いスタートは切れないだろう」と予想を立てており、無理に先行させることを諦め、後方待機策を決めていたそうです。この事前の覚悟が、出遅れからの冷静な騎乗に繋がったそうです。
そんなシャダイカグラはエリザベス女王杯での引退・繁殖入りが発表。
しかし、レース中の第3コーナーでバランスを崩し、右前脚を引きずりながら大差の最下位で入線。競走後に右前脚の繋靱帯断裂と判明しました。
怪我は重傷でしたが予後不良による安楽死は免れ、当初の予定通り引退し故郷の野島牧場で繁殖入りしました。
傷が癒えたら、彼の話を
名無しのトレーナー 2018/10/04(木) 22:31:19
ネット競馬に武豊騎手がサイレンススズカについてちょっと語った記事載ってるけど、未だにトラウマなんだね
今はまだその傷は膿んでてかさぶたを剥がす気にならないけど、もう少し時間が経って傷が癒えたらって表現してて本当にサイレンススズカ大好きだったんだなぁって正直墓場まで持ってっても不思議じゃないと思ってたから武豊chで天皇賞・秋について語ってたのは衝撃だったよ
名無しのトレーナー 2018/10/04(木) 22:34:40
武騎手が騎乗中に予後不良になった馬ってスズカしかいないんだっけ?名無しのトレーナー 2018/10/04(木) 22:41:17
いや、探せば出てくるよ
予後不良で検索かけるのもいやーきついっす名無しのトレーナー 2018/10/04(木) 23:04:09
エイシンフラッシュの同期かつ同厩舎のザタイキって馬がいてね…名無しのトレーナー 2018/10/05(金) 00:43:22
予後不良ではないけど
競走中に靱帯断裂を発症し、脚を引きずりながらもゴールまで完走したシャダイカグラという「恋人」がいてね名無しのトレーナー 2018/10/05(金) 10:16:01
シャダイカグラはサンドピアリスとの奇妙なライバル関係が孫の代である今でも微妙に続いてるのが凄い。名無しのトレーナー 2018/10/05(金) 10:42:55
ザタイキの故障で武でした。さんが落馬しなかったら多分もっと早く4000勝を達成してたと思う
数えきれないほどの馬に乗ってきた武豊騎手だけど、サイレンススズカの話をする時はすごく大切そうに話しているのが印象的です。
サイレンススズカだけじゃなく、シャダイカグラやザタイキ…忘れられない馬がきっと沢山いるんだろうな。
4000勝した武豊騎手が4000勝の持つ意味について語る記事もめっちゃかっこよかったです!!
ザタイキ…生きていたら重賞の1つや2つは取れただろうに…