アメリカにも居た!
皆さんは「ジッピーチッピー」をご存知だろうか?実はアメリカにも「ハルウララブーム」のようなブームを巻き起こした競走馬が存在していたのである。
それがジッピーチッピーだ!
ジッピーチッピーについて
ジッピーチッピーは1991年4月20日生まれの競走馬で、現在28歳。
父コンプライアンスは自身の競走実績は良くなかったものの、トライマイベストの全弟・エルグランセニョールの全兄に当たる良血馬。母方もバックパサーやラウンドテーブルなどの血をひいており、血統だけなら悪くない馬でした。
しかし、ジッピーチッピーは非常に気難しく、デビュー前から去勢され騙馬となっています。後に調教師・馬主となるフェリックス・モンセラーテもジッピーチッピーには何度も蹴られたり噛みつかれたりしたんだとか。
連敗が話題に
1993年に競走馬としてデビュー。ニューヨーク産馬だったため地元ファンを中心に人気を集めていたものの、全く期待に答えず連敗記録を増やしていきました。所有者もしばらくしてジッピーチッピーを手放してしまうため、何度も所有者が変わりました。
そんなジッピーチッピーですが、1995年に運命の出会いを果たします。
それがフェリックス・モンセラーテです。モンセラーテはジッピーチッピーを譲り受けましたが、お金ではなくフォードの1988年モデルのトラクターと交換という形でした。
いくら負けても出走するジッピーチッピーはスラスト(Thrust)の持つ106連敗記録への挑戦が期待されるようになっていき、勝つことではなく負けることで人気を呼び、次第にブームとなっていきました、
モンセラーテは「私は彼が何歳でも構わない。彼は挑戦し、挑戦し、挑戦している。その姿は私を喜ばせてくれる」と語り、ジッピーチッピーを家族同然に扱って、競走生活の後半は他の馬主への譲渡・売却を前提とした競走であるクレーミング競走への出走をさせないようにしていました。
しかしこのブームには苦言を呈する関係者も少なくなく、競馬場側から出走拒否されることも少なくありませんでした。
2004年、13歳のジッピーチッピーはノーザンプトンフェアー競馬場のダート5ハロン(約1000メートル)戦に出走。2番人気だったジッピーチッピーは1着の馬から10馬身以上離された最下位でゴール。
これにより連敗記録がついに100の大台に乗りましたが、モンセラーテが同年12月にジッピーチッピーの引退を発表したため記録更新はここで終わることに。
引退後はかつてジッピーチッピーの出走を拒否したこともあるフィンガーレイクス競馬場で誘導馬となることに。2010年からは引退馬養老牧場のオールドフレンズでのんびり暮らしているそうです。
人間vsジッピーチッピー
そんなジッピーチッピー、なんと人間と2回競走しています。
最初は2000年8月18日、マイナーリーグの野球選手ホセ・ヘレーラとの40ヤード競走。なんとジッピーチッピーは人間に敗れてしまいます。
しかし2001年8月に行われた同じくマイナーリーグ選手のダーネル・マクドナルドとの120フィートの競走ではかろうじてジッピーチッピーが勝利!対人間成績は1勝1敗と、1勝をあげることが出来たのでした。
実はサラブレッドじゃない馬との競走だったら勝ったこともあるため、「対サラブレッド100戦100敗」という肩書で語られているそうな。更に、映画こそ作られなかったものの一度ハリウッドにも招待されたことがあるんだとか…ハリウッドて!さすがアメリカです。
日本でハルウララブームが起こった時は「アメリカ版ハルウララ」としてジッピーチッピーが紹介されてたんだって!
そして逆にハルウララも「日本版ジッピーチッピー」として紹介されているらしい。アメリカで「Do you Know Haruurara?」とか聞いてみたいよね。
ジッピーチッピー、いい馬主さんと巡り会えてよかったよね。でも今はハルウララもマーサファームでのんびり暮らしてるみたいでよかったー!
時期的にはジッピーチッピーの方が先というか
ウララブーム仕掛けた人がこっちを参考にしたと言ってるんだよね