エガオヲミセテ
1998年阪神牝馬特別、1999年マイラーズカップなどで勝利した競走馬エガオヲミセテ。個性的な馬名をつけることで有名な馬主の小田切有一さんが「エガオヲミセテ」と命名しました。
そんなエガオヲミセテは悲劇の最期、そしてその後の小さなドラマがよく知られています。
「ヲ」を使った馬名第一号
父はサンデーサイレンス、母はカーリーエンジェル、母父はジャッジアンジェルーチ、祖母はオークス馬ダイナカール。そして、女帝エアグルーヴを叔母という良血のエガオヲミセテ。
1997年、開業して3年目だった音無秀孝厩舎に入厩。この年にJRAは条件付きで馬名に「ヲ」を使用することを認めており、珍馬名をつけることで有名な小田切有一さんが真っ先に「エガオヲミセテ」で馬名を登録。日本で初めて「ヲ」を使った馬となりました。
山元トレーニングセンター火災
1997年11月2日にデビュー。オークス、秋華賞、エリザベス女王杯では敗れてしまうも阪神牝馬特別で重賞初制覇を遂げました。
マイラーズカップではキョウエイマーチ、ファレノプシス、マチカネフクキタルらG1馬を相手に勝利!
しかしその後は結果を出せず、東京新聞杯で14着に敗れ一旦放牧に出されることに。
その時、悲劇が起こりました。
2000年2月11日未明、宮城県亘理郡山元町にある山元トレーニングセンターで火災が発生し、厩舎1棟が全焼。
発見されたときにはすでに火が回っており、どうにかして馬を外へ逃がそうとしたスタッフの必死の努力も空しく、厩舎内にいた30頭中22頭が焼死。
放牧に出されたばかりだったエガオヲミセテもその中の1頭でした。
火災のはっきりした原因は不明ですが漏電と見られており、被害総額は数十億円規模だったそうです。
エガオヲミセテはその優れた血統背景から繁殖牝馬としての将来の望みもかけられていただけに、あまりにも惜しい夭逝となってしまいました。
◆死亡が確認された競走馬
スターシャンデリア(牡5、秋 山)12戦3勝
パラダイスラグーン(牡5、大久保洋)4戦1勝
ヘイミスルル (牝5、河 野)5戦1勝
アリーズギフト (牝4、河 野)未 出 走
キスオンサンデー (牝4、後 藤)1戦0勝
ラハイナルナ (牝5、清 水 出)13戦2勝
クライングウイナー(牡6、白 井)21戦2勝
フサイチグランプリ(牡4、高 市)2戦0勝
カンデラリア (牝4、高 橋 裕)未 出 走
ホワイトホープ (牡6、高 橋 裕)14戦3勝
スタジアムブルー (牝5、松 田 国)6戦2勝
シマノブラントン (牡4、松 元 茂)4戦0勝
フラッシュレッド (牡5、佐 藤 全)10戦1勝
テンダーパッション(牝4、 森 )未 出 走
マジックマックス (牡6、吉 永 忍)16戦1勝
ラモースブレイド (牝4、国 枝)2戦0勝
オールスパイス (牡4、加 藤 修)未 出 走
アサーションの97 (牝4)
ライブハウスの97 (牝4)
エバープロスパーの97(牝4)
モーリストンベルの97(牡4)
エガオヲミセテ (牝6、栗東:音無)19戦4勝引用元:http://www1.plala.or.jp/smilepia/egaowomisete/kiji.htm
ユーセイトップランの勝利
エガオヲミセテが火災により亡くなった直後のこと。東京競馬場のGⅢダイヤモンドステークスに同じ音無厩舎のユーセイトップランが出走。1年以上勝利しておらず、人気も無くなってしまっている状態でした。
しかし、後藤浩輝騎手と初コンビを組んだこのレースでユーセイトップランが激走し、約1年半ぶりの重賞制覇を果たしました。
この勝利について音無調教師は「天国のエガオが後押ししてくれたんだと思う」と語っていたそうです。
ゲンキヲダシテ
エガオヲミセテの馬主である小田切さんは火災の後、悲しみに暮れる音無厩舎に再び所有馬を預けます。
その馬の名前は「ゲンキヲダシテ」。
エガオヲミセテを失ってしまって悲しいはずの小田切さんからの、音無厩舎へのエールのようにも思えます。
オレハマッテルゼが高松宮記念制覇
エガオヲミセテが亡くなってから6年後の2006年。エガオヲミセテの全弟であるオレハマッテルゼが高松宮記念を制覇。姉が果たすことの出来なかったG1制覇を成し遂げました。
火事って本当に怖いですよね…やりきれない。
↓危険なコンセントあるある
動物飼ってる人はコード噛んだりおしっこ掛けたりもヤバイらしいです。火事や火の元には気をつけよう 安全第一。
ユーセイトップラン、仮だが10話でもウンススペに挟まれて一瞬出演