競馬では度々、強すぎるライバルが同年代にいた為に「生まれた時代さえ違ければ…」という競走馬が存在します。メイショウドトウはテイエムオペラオーがいなければG1を何度制していたのか…スズカコバンがもう少し遅く産まれていたら…なんて事を話したりするのはとっても楽しい。
あの馬さえいなければ談義は飲みながら話していると一生終わらない位盛り上がるのだ。ハイボールが止まらない。あと生ビールも。
あの馬さえいなければ談義で私が最も好きなのがウインバリアシオンという馬である。この馬もまた、同年代に強すぎる馬がいたせいでG1を勝つ事ができなかった馬なのだが、愛すべき名馬として競馬ファンの間では名が知れている競走馬なのである。
ウインバリアシオンについて語らせてくれ!
ウインバリアシオンの現役時代は2010年8月~2015年5月まで。競馬ファンであればこの時代に競馬界を席巻していた馬が誰なのか…もうお分かりですね?そう…
金色の暴君!オルフェーヴルだ!
ウインバリアシオンは現役バリバリ絶好調のオルフェーヴルと同年代に活躍していた馬。結局一度も勝つ事ができず(先着は1度ある)、オルフェに重賞タイトルを阻まれ続けた名馬なのである。しかし私はウインバリアシオンの歴史がとっても好きなのである。
3戦連続オルフェーヴルに阻まれ2着
ウインバリアシオンはデビュー戦から2連勝。デビュー6戦目でG2を制するなど順調にステップアップしていきます。そして挑戦した初のG1である日本ダービー。10番人気だったウインバリアシオンは最後の直線で抜け出したオルフェーヴルに迫る2着。力をみせつけます。
続いてG2の神戸新聞杯に登場するもののまたしてもオルフェーヴル1着でウインバリアシオンが2着。更に次の菊花賞でもオルフェ1着でウインバリアシオンが2着。オルフェはその後の有馬記念でも1着を取るという無双モード突入期だったので相手が悪いとしか言い様がない状態なのである。
オルフェーヴルだけ積んでるエンジンが違う問題。
怪我明けで有馬記念
2012年の天皇賞春で3着になりオルフェーヴルは11着でしたので生涯で唯一先着したレースとなりました。しかし続く宝塚記念ではオルフェが1着で自身は4着。その後左前浅屈腱炎を発症し1年半近い長期休養に入ります。
2013年11月30日の金鯱賞で復帰。久々のレースにも関わらず3着と力をみせつけます。そしてやってきた有馬記念…!
2013年有馬記念はオルフェーヴルの引退レースで伝説となっています。有馬記念の中では個人的にトップ3に入る位大好きなレース。このレースでの1着はオルフェーヴル。オルフェの独走ばかりが目についてしまいますが、注目してほしいのは2着にウインバリアシオンが入っているという事!
稀代の名馬であるオルフェーヴルの引退レースでまたしても2着に入るウインバリアシオンというのが何とも感慨深くて私は大好きなのである。
スッとゴルシが3着に入ってるのも好き。
有馬記念終了後の陣営コメントが素敵
1年半の長期休養…怪我明け初のG1で2着の好走…しかしその前にはまたしてもオルフェーヴルが…!2013年有馬記念終了後の陣営コメントがとても素敵なので見て下さい。
レースの感想についてはいかがでしょうか?
中山義一調教助手:やっぱりオルフェーヴルは強いなあ、というのは第一印象ですけれど、ウインバリアシオンもよくあそこまで頑張ってくれた、という思いがありましたね。1年半も休んで、復帰させてレースで使うだけなら騙し騙しでいけますけど、G1で好走というのは普通ではできないこと。
でも、これほどの馬だから勝負したいじゃないですか。”ああでもない、こうでもない”とスタッフみんなの意見を聞いたり、”こっちのほうがいい、ああしたほうがいい”とか、試行錯誤をしての結果なので、よかったなとは思いますけどね。ただ、1年半の間、一番馬が鍛えて伸びていかないといけない時に休んだことが、あの差になったのかという風に考えるとね……。
まるでデジャヴかのような結果でした。また前にはオルフェーヴルが居て……。
中山義一調教助手:オルフェに先着されるのは4回目ですかね。ただ、オルフェが居てくれての競馬でよかったなあ、と僕らは思うんです。勝てなかったけど、届かなかったけど、もしオルフェが居ない中で勝ったところで、何か拍子抜けというか、納得がいかなかったかもしれないです。最後に対決できてよかった。
これだけ先着されているのになんて素晴らしいコメント。もしも私がウインバリアシオンの調教師だったら末代までオルフェを恨んでしまいそうなのに…。好敵手への敬意が本当に素晴らしいですね。
松永昌博厩舎は実は…
オルフェに勝ちきる事ができなかったウインバリアシオンは松永昌博厩舎の馬。この松永昌博厩舎…実は…ナイスネイチャがいた厩舎でもあったのです!
勝ちきれないレースが多くてブロンズコレクターと呼ばれたナイスネイチャと同じ厩舎のウインバリアシオン。これもまた何かの縁のように感じてしまう。
ウインバリアシオンの記事を書くにあたって改めてオルフェーヴルのレース見返してたんだけど本当に化け物だね。こりゃ勝てんわ…相手が悪かったとしか言えない。競馬にもしもはないけども、オルフェがいなければウインバリアシオンはG1タイトルを3つ取れてた…ただ本当に相手が悪すぎた…
私がウインバリアシオンを好きなのはナイスネイチャと同じ厩舎っていうのと、陣営のオルフェへの敬意がとっても素敵な事。化け物オルフェーヴルに勝つ為に長期休養明けなのに必死に頑張るウインバリアシオンは本当にカッコイイ!それも含めて2013年の有馬記念は神!ガチで神レースなのだ!
菊花賞でアンカツが一か八かの最後方待機の賭けにでたの好き