ウオッカが天国に
競走馬引退後は繁殖入りしアイルランドで暮らしていたウオッカが2019年4月1日の午後に亡くなっていたことが報じられました。
この記事ではウオッカの名レースや名シーンを振り返ってみました。
史上最強牝馬ウオッカ
ウオッカは2004年4月4日生まれ父はタニノギムレット、母はタニノシスター。
「府中の申し子」「豪快な淑女」などの二つ名で愛されたウオッカは牝馬として64年ぶりに日本ダービーを制するなどG1通算7勝を挙げ、マスコミやファンから「史上最強牝馬」と呼ばれました。
2歳時に栗東トレーニングセンターの角居勝彦厩舎に入厩したウオッカはスタッフの間でも「シーザリオ級が入ってくる」と評判に。
入厩後の調教でウオッカはデルタブルース、ハットトリックのGI馬に食らいつく走りを見せ、この知らせを聞いた谷水オーナーは将来、ウオッカが名馬となることを確信。クラシック登録の際、角居調教師が「桜花賞、オークスの2つですか?」と確認したところ、谷水オーナー「5つ全部だ」と言って5冠全てのレースのクラシック登録を行ったそうです。
2006年12月3日・阪神ジュベナイルフィリーズ
デビュー戦に勝利、続く黄菊賞では2着となったウオッカが3戦目に挑んだのが2歳牝馬最強決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ。
最後の最後で3連勝中で1番人気だったアストンマーチャンを差し切り優勝!更にレースレコードと2歳芝の日本レコードを同時に更新と、格の違いを見せつけました。
2007年3月3日・チューリップ賞
永遠のライバルと呼ばれたダイワスカーレットとの初対戦となったのがこのチューリップ賞。
マッチレースを挑んできたダイワスカーレットをクビ差で制して勝利。
しかし、次走となる桜花賞ではダイワスカーレットに破れてしまいます。その後もウオッカとダイワスカーレットは秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念、天皇賞秋で対決しています。
ウオッカとダイワスカーレットではウマ娘でも最強のライバル関係!
2007年5月27日・日本ダービー
桜花賞で2着に敗れてしまったウオッカは日本ダービーを断念しオークスに出走されると思われていたものの、日本ダービーへの出走を決意。
牝馬の出走自体11年ぶりで、しかもその時の出走馬だったビワハイジは見せ場がないまま13着に惨敗。日本ダービーを制したジャングルポケットを父に持つフサイチホウオーが1番人気で勝つと思われていましたが、結果はウオッカの勝利!
レースでは馬群の中団から直線で抜け出して、父仔2代(父娘での制覇は史上初)での東京優駿制覇を達成しました。
2007年、日本ダービー。
オークスを選ばずに、あえてダービーを選んだ牝馬。
勝てるのか?本当に勝てるのか?
64年ぶり、牝馬のダービー制覇。ウオッカ。
誰も行かない道を行け。茨の中に答えがある。
2008年6月8日・安田記念
日本ダービーを制したウオッカですが、それから1年間は勝てない時期が続きました。ダービーを制して燃え尽きてしまった馬は少なくないが、ウオッカもそんな馬のうちの1頭だと思われつつある中で安田記念への出走を決意。
そしてレースでは最後直線一気に抜け出し、馬の間を駆け抜けて1着でゴール!
アニメウマ娘では翌年の2009年の安田記念のシーンがOPで再現されてましたね!このウオッカちゃんめっちゃカッコイイ。
2008年11月2日・天皇賞秋
チューリップ賞では勝利したものの桜花賞、秋華賞、有馬記念ではダイワスカーレットに破れてしまっていたウオッカ。2頭の5度目の対決となったのが2008年の天皇賞秋です。
ダイワスカーレットは先行、ウオッカはディープスカイをマークする形でレースを進め、直線では残り300メートルでは鋭い末脚を見せるウオッカとディープスカイと粘るダイワスカーレットの3頭の叩き合いに。
VTR映像でもわからないほどの僅差の勝負で、写真判定は13分間にも及び次レースの発走がずらされたほか、テレビ中継も延長。そして結果は…ウオッカの勝利!ハナ差2cmという超僅差での勝利でした。
天皇賞牝馬ワンツーフィニッシュ自体が50年ぶり。同着でもおかしくないほどの僅差のレースとなったライバル対決…何度見てもカッコイイ。青嶋アナの熱すぎる実況も最高です
東京競馬場にはウオッカ像が
東京競馬場内ローズヒルガーデンにはウオッカ像があります。
東京競馬場で最も活躍し、「府中の申し子」と呼ばれたウオッカには一番相応しい場所として東京競馬場に設置されました。
谷水オーナー、角居調教師、武豊騎手、四位騎手のコメント
ウオッカのオーナーである谷水雄三さん、角居勝彦調教師、武豊騎手、四位洋文騎手によるコメントがこちらです。
谷水雄三オーナーのコメント
このような形になり大変残念です。ウオッカには、ただただ感謝の気持ちしかありません。7つのGⅠを勝ち、その全てが印象に残っていますが、特にあげるのであればやはり牝馬として64年ぶりの制覇となった日本ダービーと、13分の写真判定の結果の勝利となった天皇賞(秋)、同じくハナ差で制したジャパンカップです。
繁殖牝馬としても仔出しが良く、今年の1月28日に産まれた父フランケルの牝馬を含め、7頭の仔を産んでくれました。2頭の牝馬はすでに繁殖に上がっており、ウオッカの血を繋いでくれることに期待しています。
多くのファンに応援していただいた馬で、ファンレターもたくさんいただきました。今でも当時を思い出し、胸が熱くなります。これまでの応援に心から感謝しています。
角居勝彦調教師のコメント
厩舎をメジャーにしてくれた功労者で、私にとっても大切な馬でした。ファンも大変多い馬で本当に残念です。
武豊騎手のコメント
僕にとって大変思い出深い馬でした。名馬と呼ぶに相応しい馬だと思います。ファンの多い馬でしたし、本当に残念なニュースです。ご冥福をお祈りいたします。
四位洋文騎手のコメント
ショックです。僕にとっては子供の頃からの夢であったダービーを取らせてくれたかけがえのない馬です。自分として、スーパーホースの背中を知れた事は、それからの競馬人としての指標にもなりました。あんな馬にはもう巡り合えないかも知れません。ただただショックでなりません。ご冥福をお祈りいたします。
引用元:http://www.jra.go.jp/news/201904/040301.html
JRAがウオッカ号追悼関連行事を実施
2019年4月1日に亡くなったウオッカを追悼し、JRAで関連行事が行われることが発表されました。
ウオッカ追悼競走の実施
4月6日(土曜)の各競馬場のメインレースについて、「ウオッカ追悼競走」の副題を付して実施いたします。
第3回中山競馬第5日 第11レース「ウオッカ追悼競走 ニュージーランドトロフィー(GⅡ)」
第2回阪神競馬第5日 第11レース「ウオッカ追悼競走 サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)」
第1回福島競馬第1日 第11レース「ウオッカ追悼競走 吾妻小富士賞」
献花台・記帳台の設置
東京・中山・京都・阪神・福島の各競馬場においてウオッカ号への献花台・記帳台を設置するほか、その他の競馬場、全てのウインズ、競馬博物館(東京競馬場内)およびGate J. (東京・新橋)において記帳を受け付けいたします。
設置期間 4月6日(土曜)から29日(祝日・月曜)の競馬開催日
注記:J-PLACEでは実施しません。
その他
全国の競馬場・ウインズのターフビジョン・館内モニターにおいて、ウオッカ号特集ビデオを適宜放映いたします。
注記:一部のウインズおよびJ-PLACEでは実施しません。
ウオッカ像の周りにはお花がいっぱいあるみたい。今春だからいつも以上に綺麗だろうね。ウオッカ、今までお疲れ様でした。レッドディザイアちゃんとはもう再会したかな。早すぎるお別れで寂しいけど天国でゆっくりしてね。
「なんと、なんと、64年振りの夢叶う‼︎ウオッカ先頭‼︎牝馬が見事に決めましたー‼︎」
「ウオッカカッター‼︎」
「大接戦、大接戦ドゴーン(大接戦でゴール)‼︎」
どれも印象深いレースだよね、本当に残念